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分かるのは優弥に嘘や誤魔化しは効かないということだけ。
優子ちゃんを巻き込まないためにも、そしてこれ以上変に勘ぐられないためにも話すことにした。
｢ただ……見ていて放っておけないんだ。優子ちゃんが店に来ているのは、ずっと誰かを待っているからなんだ｣
普段が明るい分、時々フッと見せる表情が頭から離れない。
そして、まるで自分のことのように胸が痛むのだ。
｢なんだ、そういうことか。それで分かった。何でお前が彼女を放っておけないか……｣
１人納得したように呟くと鼻で軽く笑った。
俺はその優弥の馬鹿にしたような態度が何故か勘に障り、軽く睨みを利かせる。
｢自分で気づいていないのか？お前は彼女に自分を重ねて見てるんだよ。美月に会いたいくせに会えない自分を、な｣
さっきまで笑っていたはずの優弥の目が一気に鋭いものへと変わる。
違う！って言いたかった―――でも言えなかった。
図星だったから……
本当は自分でも薄々は気づいていたが、気づかないフリをしていた。
｢勝手に重ねるのは自由だが、彼女が可哀想だ。お前は優しいようで本当は残酷なんだよな。美月にとっても……｣
トドメを刺すような優弥の鋭い言葉が俺の胸を貫き、言葉を失わせる。
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