154人が本棚に入れています
本棚に追加
――…
―…
「朝か―――」
疲れていたはずなのに一睡もできないまま、俺は朝を迎えてしまった。
でも不思議なくらい眠さも気だるさも感じない。
ただカーテンの隙間から溢れる朝日が、やけに目に滲みる。
もっと……
ずっと……
こうしていたいけど時計を見ると、もうすぐ6時。
「……もう限界かな?」
頬杖をつきながら諦めたようにため息をつくと、もう一度、目の前で気持ち良さそうに寝息をたてる美月を見つめる。
そう―――結局、美月を自分のアパートに連れ帰ってきたのだ。
美月を背負い、家まで送ろうとタクシーには確かに乗った。
でも途中で留守電を聞いた優弥から電話があり、家ではなく俺のところに泊めることとなったのだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!