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優子ちゃんの"賄賂"というか"お願い"が何なのか気にはなったが、それ以上、追求する事はしなかった。
---正確には"追求する事ができなかった"と言った方が正しいのかもしれない。
ハッキリとは分らないが、何となく分かったから。
それに、これ以上追求しても優子ちゃんが絶対に答えてはくれないということも。
せっかく気分転換に飲みに来てくれているのに、それを邪魔するような真似は俺にはできなかった。
話題が逸れると優子ちゃんも、どこかホッとした様子で、いつもと変わらぬ笑顔を向けてくれた。
ただ、相当ストレスが溜まっていたのか会社の愚痴をたんまりと聞かされてしまった。
でも泣かれるよりは怒っている顔の方が数倍いい。
腹に溜め込んでいるものをすべて吐き出してしまえばいいのだ。
そしたら、また笑顔を見ることができる。
―――やっぱり優子ちゃんには笑っていてほしいから。
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