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「おはよう。遅かったな」
ドアを開け俺は朝早い客人を招きいれる。
「おいおい。昨日、何時に帰ってきたと思ってるんだ」
見るからに疲れの残った顔の優弥が睨みつけてきた。
「で、美月は?」
俺の答えを聞かずにズカズカと部屋の奥へと踏み込んでゆく。
そして美月の姿を見つけたのか急に足を止め振り返ると
「手は出してないんだろうな」
冗談交じりに振ってきたが、今の俺にはちょっとキツイ。
「---当たり前だろ?」
後ろめたい事は微塵もないが動揺のあまり答えに詰まりかける。
そんな俺を優弥は少し探る様に見つめたかと思うと、目を伏せ呆れたように鼻で笑った。
「そうだと思ってたから美月を預けたんだけどな……。いいや、それよりもさっさと起こして準備させなきゃ遅刻する。おい、美月起きろ」
どこか不服そうに漏らすと、気持ちを切り替えたかのようにキビキビと美月を起こしだした。
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