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”ユキのおかげ”というのは、ちょっとシャクだけど、久しぶりに楽しい酒だった。
ほんの少し気持ちも軽くなったし、それに視界が開けてきたような気がした。
あまりに想いが強すぎて……
あまりに長く想いすぎて……
もしかしたら、ずっと昔から好きだったから、その想いがまだ続いているのだと錯覚しているのかもしれない、と。
「少し頭を冷やさないとな……」
ユキと別れ一人、部屋に戻った俺は水で喉を潤しながら自分に言い聞かせる。
ずっと美月の幸せを願ってたのは本当で、その気持ちは今も変わらない。
ただ、それがユキと話し”恋愛感情”なのかが分からなくなってきていた。
それに美月も一方的に想われて、勝手に嫉妬されて態度に出されているのだから、いい迷惑かもしれない。
他人のせいにするのもなんだが、優弥がやたら俺を煽るような事ばかり言うのも勘違いの原因の一つだったかもしれない。
――とにかく一度、落ち着こう……
酒の酔いが抜けるように徐々に加速し続けてた心の熱も冷めていくような気がした。
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