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「そうなんだ。衛くん、昔から優しいもんね」
やっと美月も納得したように俺を見て笑ってくれた。
どうやら美月の誤解も解けたようで、肩の力が抜け一気に気持ちが楽になってゆく。
「食べよ。せっかくの料理が冷えちゃってる」
美月も俺同様、気持ちを切り替えるように箸を持ち料理に手を伸ばしだす。
「そんなにお腹空いてたの？」
さっきとは打って変わって一気に食べる美月の姿に驚き笑ってしまった。
美月は食べる手を止めることなく少し恥ずかしそうに笑いながら頷く。
その姿が可愛くて……
愛おしくて……
ついつい手が美月に伸びそうになるのを必死に堪えるのが大変だった。
こんなに近くに居るのに簡単に触れることのできないもどかしさを一気に取り除きたいという衝動に駆られる。
でも、俺にはそんな勇気まだなくて……
しかも美月の言葉が俺の心を一気に凍りつかせた。
「知ってる？中途半端な優しさって単なる自己満足で、相手にとって残酷な時があるって知った？」
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