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「あ、神崎くん初めてだよね。私の旦那の佐田 昭仁さん」
珍しく恥ずかしそうに旦那を紹介するサユさんが少し可愛く見えた。
「初めまして」
失礼化とは思ったが、カウンター越しに頭を下げ挨拶をする。
「初めまして、サユからは話は聞いてます。迷惑かけたでしょ?こいつ、我がままだから」
冗談めかしく言いながらサユさんの頭の上に軽く手を置く。
「酷い!そんなことないわよね」
佐田さんの言葉にふて腐れながら俺に同意を求めてくる。
こういった場合、俺はどう答えるべきなのだろうか……
やっぱりサユさんの肩を持つべきなんだろうか……
「--そんなことないですよ……」
迷いに迷ってしまい、変な間ができ佐田さんにばれてしまったとは思うが、とりあえずサユさんの顔を潰さない選択をした。
サユさんは「ほらね」と、どこか勝ち誇ったような顔で佐田さんに微笑む。
二人のやり取りが微笑ましくて見ていて自然と頬が緩んでしまった。
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