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「いらっしゃい、何にする？」
躊躇いがちに席に着く美月に笑顔で問いかける。
「えっと……」
俺の問いに慌ててカウンター内に並ぶ、リキュールに目をやりだす。
でも酒を選んでいるというより目が泳いでいる、と言った方がしっくりくる感じ。
「お任せでいい？」
いくら待っても美月からの返答を得ることはできないと思い、もう一度問いかける。
美月は少しホッとした顔を見せ「うん」と頷き、微かな笑みを洩らす。
「少々お待ちください」
美月におしぼりを手渡すと俺は数あるリキュールの中から数本選び、素早くカクテルを作り出す。
俺は作りながら微かな胸な胸の高鳴りのような安堵感を覚えていた。
――ユキの言った通りだった、と。
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