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あの晩から数日経っても美月が店に顔を出す事はなかった。
誤解された?--あの晩の美月の驚いた顔を思いだす。
やっぱり電話しておけば良かったと後悔したが、同時に勝手に淡い期待を抱く。
誤解しただけなら普通に日を改めて普通に店に来ると思うが、来ないと言うことはあの場面を見て何かを感じた、という事。
要は多少なりに俺に何らかの感情を抱いてくれていたのではないのかと思ったのだ。
さすがにソレはちょっとプラス思考過ぎるかな?とも思ったが、そうであったらいいと願ってしまう。
でもコレがきっかけに美月が誤解したまま店に来なくなってしまったら意味がない。
代わりに、といっては何だが優子ちゃんが前よりも頻繁に店に来るようになった。
そして今も目の前には優子ちゃんが座っている。
あの日以来、泣き喚いたり暗い顔をしたりする事はなくなったが、逆に妙にはしゃぎすぎているような気がして少し心配だった。
多分、俺が気にしないように無理して元気に振舞っているのかな、と見ていて余計に胸が痛くなった。
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