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優弥の何事にも真っ直ぐなところも……
優弥の何事にもすぐに熱くなってしまうところも……
嫌いじゃないけど、ほんの少しだけ憧れたときもあったけど俺には逆立ちしたってなれない。
なれないからこそ”憧れ”に似た感情を覚えるのかもしれない。
「そうかもしれないけど、時には必要な事だと俺は思う。そしてお前の場合、それが今だと俺は思うけどな」
俺の言葉が訊いたのか、先程とは違い優弥から荒々しさが消える。
その代わりに言葉には妙な重々しさを感じさせた。
――今?
余計に優弥の言いたいことが理解できない。
何故、優弥は”今”だというのだろうか。
「言っている意味がまるで解らない。お前、完全に酔ってるだろ。早く帰って寝ろよ」
やはり酔っ払いの戯言だと思い、軽く受け流すことにした。
「だから酔ってないって!何で二人して、そう鈍いんだよ。見ていて苛々する!」
「苛々するなら見なければいいだろ?」
ここまで二人の温度差が激しく、話が食い違ってばかりだと相手をするのも疲れてくる。
本当なら優弥に構っている余裕なんて俺にはないし、今すぐにでも帰って何も考えず眠ってしまいたいのが本音なのだ。
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