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「あーっ、眠れない!」
優弥と別れ、真っ直ぐアパートに帰った俺は真っ直ぐベッドに潜り込んだにもかかわらず、眠りにつくことができずにいた。
いつもよりアルコールも入っているし、あの優弥を相手して精神的に疲れも感じていた。
さっきまではベッドに横になったら、すぐに眠りにつけると思っていたのに、いくら目を瞑っても眠りに落ちることはなかった。
それどころか完全に目が冴えてしまい、寝ようとすること自体馬鹿馬鹿しく思えてきた。
俺は眠ることを諦め、起き上がるとベッドに腰掛け、深い溜め気をついた。
そしてベッドの脇に置いてあったタバコに手を伸ばし火を点け、冷静に優弥との会話を思い出す。
あれはどういう意味だったんだろうか……
そういう意味だったんだろうか……
身体も心も疲れているのに俺が眠れない原因。
モヤモヤが募るばかりで落ち着かない。
不意に視界に携帯が目に留まるが、電話するには遅すぎる時間。
それに優弥もあれだけ飲んでいれば、今頃は完全に夢の中だろう。
考えただけでも腹立たしいが、寝ている相手に一人で怒っていても意味がなく疲れるだけ。
もしかして、これも優弥の嫌がらせの一つか?
やけに夜が長い気がした。
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