147人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「一体どこに行くつもりなんだか……」
ふっきったつもりだったのに、気づけば美月を求め無意識に駅の方向に足を進めてしまっていた。
思わず頭を抱え気味にその場に座り込む。
完全に自己嫌悪に陥っていた。
「何やってんだろ……」
深いため息をつきながら呟き、ゆっくりと立ち上がりかけた時
「衛くん!?」
突然、切羽詰ったような美月の声が耳に飛び込んできた。
――え?
その声に俺は驚きながら、その姿を確認するために顔を上げる。
顔を上げた瞬間、目に飛び込んできたのは当たり前だが美月の姿。
道路の向こう側で少し身を乗り出して俺の方を真っ直ぐ見ていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!