147人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんなんだよ、これ……」
胸の痛みが少しでも治まればと深呼吸を何度か繰り返してみる。
それでも治まることのない痛みに苛立ちのような、モヤモヤとした感情が芽生えだす。
押し寄せてきた感情に堪え切れなくなり洗面所へ行き、勢いよく冷たい水で何度も何度も顔を洗う。
冷えるのは水に触れた手と顔だけで頭の熱だけは一向に冷えることはなかった。
本当はこんなモヤモヤした気持ちで仕事に行きたくはなかったが、時間も時間。
仕方なく顔を拭くと店へ行く準備をしだした。
――…
―…
平日のおかげ――と店側の人間が言うのはおかしいが、開店してから1時間、未だ客一人来ていなかった。
いっそ店を閉めようか……
とてもじゃないが客を前にして、いつものように普通に接することができるか自信がなかった。
こんなこと店で働き出して初めてで、どうしようもなかった。
ギリギリまで迷いに迷ったが客が来てしまってからでは遅いと思い、俺は腹を決め店を閉めることにした。
.
最初のコメントを投稿しよう!