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「俺の事ばかり言うけど、美月だって昔っから肝心なことになると黙り込んで逃げてばかりいるじゃないか。言いたいことがあるならはっきり言えよ。言ってくれなきゃ分からないだろ！？」
酷い言葉を言っている自覚はあった。
多分、俺の言葉が美月を傷つけているという自覚もあった。
それでも止めることができなかった。
今の今まで美月を守ることしか考えられなかったが、これが俺の本音だった。
俺は……
俺たちは……
いつも当たり障りのない水面下での会話を繰り返していた。
確かに、それでもいいと思っていた時期もあったが、人間というものは贅沢な生き物で、それでは満足できないほどまで来ていた。
美月が欲しい……
美月の心が、すべてが欲しいって思ってしまっている。
―――この気持ちが報われるかも分からないのに……
いや、いっそ報われることがないなら自らの手で終わらせてしまいたかった。
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