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「だって俺は、何?」
あからさまに”マズイ”といった顔をする美月に俺は間をも入れず問いただす。
テーブルの下の美月の手に力がこもっているのが見て分かる。
睨むように見ていた美月の目線はいつの間にか俺からテーブルへと移り、そしてどこか悔しそうに下唇を噛みしめだした。
さすがにちょっときつく言いすぎたなとは思ったが、これだけはずっとはっきりさせたかったことだった。
今だって、もしかしたら咄嗟に俺を傷つけまいと何か言おうとしたが言葉が何も思い浮かばなかった、というオチかもしれない。
俯いたまま黙り込む美月を俺は逃がさないと威圧するかの如く見つめ続けていると
「―――何で私が責められるような事を言われなきゃいけないの?衛くんなんて嘘つきのくせに……」
またしても美月の口からは突拍子もない言葉が零れ落ちてきた。
「嘘つき?俺がいつ美月に嘘をついた?」
もしかしてまだ優子ちゃんとのことを疑っているのか一瞬思ったが、美月の様子を見ていると、どうやらそうじゃないっていうことは分かった。
でもその真意が分からず問いただそうとした矢先、美月の口から信じられない言葉が飛び出してきた。
「―――私は一体、いつまで衛くんの事を待っていればいいの?」
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