痛み

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店の前の電気を消し、ドアのカギを閉める。 閉めた瞬間、ガタガタという音と微かに人の声が聞こえてきた。 ――客だ…… 放っておこうかと思ったが、自己都合で店じまいにした手前、良心が痛む。 迷いに迷って俺が出した答えは…… 「いらっしゃいませ」 店を開け、客を迎え入れるというものだった。 でもすぐにドアを開けてしまった事を後悔させられた。 「どーも」 反射的にドアを閉めそうになった俺に不敵な笑みを漏らし、ドアの間に足を挟ませ阻止する、その男――優弥。 毎度のことながらタイミングが良すぎる登場に頭が痛い。 「何?今日って店、休みだったっけ?」 諦めドアから手を離し店の奥へと向かう俺に優弥が呑気な声を投げかける。 「や、そうじゃないんだけど……。ちょっとな」 さすがに優弥には言えず、言葉を濁し誤魔化す。 そんな俺の耳に店のドアのカギを閉める音が届き驚き振り返ると、さっきまでドアの傍に居たはずの優弥がすぐ傍に立っていて更に驚かされることとなった。 .
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