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早く大人になりたかった。
誰よりも早く
大人になりたかった。
早く大人になって
誰よりも彼女を守れる存在になりたかった。
でも実際、大人になってみて自分でもそんなに簡単に変わることなんてできなかった。
いつまで経っても求め続けてしまい、終わりなんて見えなかった。
明らかに変わったのは見た目と年齢だけ。
今さらだけど、もしかしたら無理して大人になろうとしなくても良かったのかもしれない。
でもあの頃は、やっぱり子供で、そんなことも気づけなかった。
いつまで経っても俺は美月の年齢を追い越すことはできないし、大人になりきれていない部分だって沢山あると思う。
ただ、傍に居られればいい―――そう美月が教えてくれた。
だから、これからは美月を守れる、ではなく、一緒に歩んでいきたいと思う。
いつまでも……
ずっといつまでも……
―――永久に。
―END―
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