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「驚かせるなよ……」
動揺を誤魔化すように軽く笑い、さり気なく優弥との距離をとる。
そんな俺を見て優弥はまた意味深に不敵な笑みを漏らした。
「何、ビビってるんだよ」
まるで俺の心を見透かしたような言葉を吐き、カウンター席に座った。
「ジントニック」
「え？」
「注文！ジントニック」
呆気にとられボーっとしていた俺に優弥は念を押すように言う。
「ああ」
俺は我に返り答えると、慌ててカウンター内に入り酒を作りだす。
そして作りながら優弥が何の意図で店に来たのか、そして今、何を考えているのかを考えていた。
酒を出すと優弥は、ただ静かに飲み始め、何も語ろうとはしなかった。
俺もそんな優弥を目の前に何も言うこともできず、無駄にしなくてもいい片づけをしていた。
「お前も飲めよ。今日は店仕舞いしたんだろ？」
自分の隣の椅子の背に軽く触れ、俺に隣に座るように勧めてきた。
「ああ」
多少の躊躇いはあったものの俺は優弥に勧められるまま、グラス片手にカウンターから出る。
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