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困らせているよね?
すごく困らせているよね?
絶対に呆れられてるんだ……
急に黙り込んだ衛くんに私は今更ながら自己嫌悪に陥ってしまった。
「ごめん!本当に大丈夫だから帰ろう?」
やめよう、馬鹿な考えを持つのは……
気持ちを切り替え、勢いよく立ち上がる。
瞬間、視界がグラリと揺れ平衡感覚が奪われてしまった。
「美月!?」
間一髪、咄嗟に伸ばされた衛くんの腕によって私は抱きとめられ、転ばずにすんだ。
―――格好悪い……
「ごめんね、ちょっとふらついちゃった」
泣きそうになるのを笑って誤魔化し、ギリギリのところで平静を取り繕う。
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