みつき

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午後4時。 いつものようにマンションを出て店へと向かう。 自分でも呆れる、相も変らぬ俺の生活スタイル。 でも1つだけ変わったことがある。 それは…… 「いらっしゃいませ」 ドアが開く音に条件反射からの営業スマイル。 でも、入ってきた客の姿を確認すると俺の頬が自然と緩んでしまった。 「―――いらっしゃってみました」 気恥ずかしそうに変な日本語を口にしながら、ゆっくりと俺の方へとやってくる姿が可愛くて…… もし仕事中じゃなくて…… いや、せめて誰も居なかったら迷わず抱きしめているだろう衝動を堪え、俺は彼女をいつもの席へと誘導する。 「お疲れ様。何にする?ていうかお腹空いてるんじゃない?」 おしぼりを手渡し、美月の前にコースターを置く。 .
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