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「もしもし、美月?どうかしたのか!?」
慌てて電話に出ると
「ごめん、衛くん寝てたよね?」
申し訳なさそうな美月の声が返ってきた。
「いや、まだ寝ないよ。それよりどうした?家には着いたんだろ?」
美月の声にホッとして置き去りにしてしまったビールを取りに戻る。
でもホッとしたのも束の間で
「うん。着いたには着いたんだけど、カギが見つからなくて……」
「は!?じゃあ、ずっと外に居るのか?」
「うん。優弥に電話してみようかと思ったけど、今日は出張で帰ってこないことを思い出して……」
美月の声色から酔いは醒めてきたことは分かったが、代わりに小さなくしゃみが聞こえてきた。
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