みつき

23/40

366人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「今日は客足が少なかったし、ちょっと用があったから早めに閉めたんだ」 あながち嘘を言っているわけじゃない。 『ふーん。ま、じゃあ帰るわ』 珍しく変な勘ぐりも入れられることなく、納得してくれたようだ。 「ああ、悪いな。また来てくれ……」 そう言って電話を切ろうと思った。 でも、すぐに思い直し 「ユキ!」 電話を切られまいと、慌ててユキの名前を呼んだ。 『―――あ?』 かろうじて電話は切られずに済んだ。 「今、店の前に居るって言ったよな」 『ああ。今、駐車場に向かおうとしてるけど……。それがどうかしたか?』 「あ、うん……」 俺は迷っていた―――ユキに美月のことを頼んでいいものかを…… .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加