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「―――はい……」
いくら衛くんから聞いていたとしても……
いくら私の名前を知っていたからと言っても……
初対面の、しかも男性に対して警戒心を持つなって言うことが無理で、つい顔を強張らせ、距離を取ってしまう。
しかも今は時間も時間で人通りがない。
「あ、そうですよね」
私の態度に一瞬、戸惑いを見せていた男が急に思い立ったかのように携帯を触りだす。
―――何?
男の不可解な行動に疑問を持ちつつ、その様子を見ていた。
「ああ、今着いた。ちゃんと会えたから。待って、代わるから……。あ、ちょっと出てもらってもいいですか?」
急に自分の携帯を私の方に着きだしてきた。
「―――はい」
戸惑いながら男から携帯を受け取ると、恐る恐る耳に当ててみる。
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