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『美月!?』
電話に出た途端、飛び込んできたのは衛くんの声だった。
「衛くん……」
その声に安堵の息を漏らす。
『今、美月を迎えに来た奴いるだろ?それ各務って言って俺の友人だから安心していいから』
衛くんに言われ、車の中の男の姿を確認する。
男は私の視線に気づくと軽く会釈をして見せ、私もつられて頭を下げると、すぐに電話に意識を戻る。
『本当は俺が迎えに行きたかったけど時間がかかりそうだから近くに居たユキに迎えに行ってもらったんだ』
衛くんに事の経緯を聞き、納得した私は車の中の男、各務に携帯を返した。
「すみません。よろしくお願いします」
そして遠慮がちに私は男の車に乗り込んだ。
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