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緊張からか手に汗が滲んでくるのが分かる。
―――どうしよう……
無理やり携帯を奪い、衛くんに助けを求めるべきか……
ううん。
彼は衛くんの友人。
しかも衛くんが信頼して私の事を頼んだ相手。
それなのに、こんな事を知ったら衛くんを傷つけてしまう。
でも……
色んなことが、もの凄い勢いで流れ込んできて私を追い込んでゆく。
そしてギリギリのところまで追い込まれた私は堪え切れず、その手を思いっきり振り払った瞬間。
男は手を離したかと思うと急に吹き出し「すみません」とすぐに謝りの言葉を口にした。
男の不可解な言動に私は意味が解らず、戸惑いを隠すことができなかった。
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