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車に揺られながら、1人不安に駆られていると急に横から洩れるような笑いが聞こえてきた。
「あ、すみません」
不思議そうに男を見ると、口元を押さえながら謝ってきた。
「神崎の相手があなたで良かったなって思って……。仕事柄、色々と思うと事はあるとは思いますが、あいつの事を信じてやってくださいね」
まるで私の心を見透かされているんじゃないかと思うような男の言葉に息をのむ。
男の目に私はどういう風に映っているんだろう……
本当に衛くんの隣に居て良い人間だと思ってくれているのだろうか。
「あの……」
「あ、着きましたよ。中で待ってればいいのに……」
意を決して聞いてみようと口を開いたが、タイミング悪く衛くんのマンションに着いてしまったようだった。
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