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「早く!」
渋る俺に美月が頻りに催促してくる。
―――参ったな……
本当はお代わりなんて作りたくない。
でも一度言いだすと聞かない所がある上にアルコールの力が加わっている今の美月に何を言っても無駄で
「今度は一気に飲むなよ」
渋々、お代わりを作るしかなかった。
美月はソレを受け取ると「子ども扱いしないで」と少し不服を漏らしつつ一口飲んだ。
子ども扱いはしているつもりはないんだけど、ただちょっと心配なだけ。
「美味しい」
嬉しそうに笑う美月に微かな罪悪感が過ぎる。
実はさっきのから見たら随分薄目に作っていたから。
でも予想以上にアルコールに弱かったらしく、1時間もしないうちに美月がカウンターでうつらうつらしだしてしまった。
「寝るなら家に帰って寝ろよ?優弥に電話して迎えに来てもらおうか?」
「優弥は今日、出張で泊りだから……」
俺の手を軽く払いのけ、ゆっくりと立ち上がる美月。
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