みつき

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でも、その足取りはおぼつかなくて…… 見るからに危なっかしくて放っておくことなんてできなかった。 「おい、危ないだろ」 カウンター内から飛び出し、椅子に手をつき身体を支える美月の腕をとる。 「大丈夫よ。店を出たらすぐにタクシーを捕まえるから……」 でも美月は俺の手を振り払い頑として1人で帰ろうとする。 何を彼女を意固地にしてしまったのかは分からないが、その原因は明らかに俺で…… 分かっているから余計に、このまま1人でなんか帰せない。 「奥にソファーあるから少し休んでけよ。遅くていいなら帰り送るから……」 もう少し抵抗されるかと思ったが、思いの外あっさりと了承してくれた。 「ここ誰も来ないから……」 美月を店の奥にある部屋へと案内する。 ここは、たまに飲み過ぎた時や遅くなり帰るのが面倒な時に使っている部屋だった。 「ありがとう」 お礼を言いながらソファーに横たわる美月に俺はブランケットを掛けて店へと戻った。 .
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