366人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
※
ドアが閉まるのを確認してから私はゆっくりと起き上がった。
「何やってるんだろ、私……」
髪を掻き上げ、ソファーの背に項垂れた。
酔ったふりをするつもりが思いの外、酔ってしまったらしく頭がグルグルする。
30過ぎの女が1人飲んでお酒に呑まれるなんて格好悪いにも程がある。
「衛くん、呆れただろうな……」
―――こんなつもりじゃなかったのに……
どうして、こう物事が上手く進まないのだろう。
私のせい?
それとも衛くんが鈍すぎるから?
いや、回りくどいやり方をした私が悪いんだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!