幼馴染み

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11月から続くクリスマスムード 12月に入ると、街はその色を濃くする 「どこもかしこも、クリスマスって感じやね」 隣でダルそうに歩く人物に声を掛けた 「クリスマスって、キリストが生まれた日やろ?そんなん祝って何が楽しいねん」 ……… 相変わらず、冷めてるっちゅーか…何ちゅーか… 一緒に居(お)るようになって17年 生まれた時からご近所で、幸いこれまで縁遠くなることがなかったから、隣に居るのが当たり前になってるこの人――― 西澤 晴翔(にしざわ はると) 幼馴染み、兼…あたしの好きな人 近過ぎて恋愛対象にならんのか 幼馴染みに恋愛のフラグが立つんは、漫画の中だけなんかな… 「な~、ケーキ焼いたろか?」 「いつ?」 「クリスマス」 フワフワのスポンジに、甘さ控えめの生クリームでデコレーションしたケーキが好きなハル 自慢ちゃうけど、お菓子作りには自信があるねんな それを普段の料理に活かせって言われたら、何でか分からんけどこれまた失敗作だらけ きっと、お菓子は好きな人のためだけに作ってるから…かな 「あー、食う」 「生クリームたっぷりでいいんやろ?」 「うん。みぃのお菓子は、そこら辺で売ってるヤツとちゃうくて、食べやすいから好きやわ」 『みぃ』 『都(みやこ)』というあたしの名前を、小さい頃からずっとそう呼んでくれるハル こうやって、肩を並べて一緒に歩ける毎日が幸せ
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