突然の告白

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幼稚園、小学校、中学校とずっとつるんできたあたし達3人 慎ちゃんが高校に入ってから、あたし達と慎ちゃんの間に少しだけ隙間が出来た だから――― ―――何で、急に? それがあたしの素直な気持ち 「そっか。じゃあな、もしよかったら予定空けといて?」 ニコッと微笑むその笑顔に、胸の奥がチクッと痛む …無意識に、何か断る理由がないか考えてたから 「………分かった」 「ん、ありがと。じゃ、また」 笑顔で自転車にまたがり、小さくなっていく慎ちゃんの後ろ姿を見つめる 寒さのせいか、真っ赤になった慎ちゃんの鼻と指先だけが脳裏に焼き付いて離れなかった 「あ、雪―――」 寒いと思ったら… 今年、初めての雪 分厚い雲から音もなく舞い落ちてくる、黒い物体 見上げたら黒いのに、手元に落ちてくる時に白く見えるんは何でなんかな… 手のひらを広げ、雪を受け止める 皮膚に触れた瞬間溶けて消える雪を見て、また心が痛む 忘れてた… クリスマス…ハルにケーキ作る約束したんやっけ 大事な―――ハルとの約束 何で忘れてたんやろ きっと、ハルがレーナのことが気になってる…その一言がショック過ぎて、忘れてたんかな さっきちゃんと断れず、曖昧に濁らせたまま別れたことを後悔する 優しい慎ちゃんの笑顔を曇らせる…それが苦しかった
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