突然の告白

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□■□■ 「はよ」 「…はよ。どーしたん?こんな朝早く…」 今日は土曜日 昨日あんな別れ方したからハルとは顔を合わせ辛かったし、今日が休みでよかったって思う そんな早朝――― あたしは今、慎ちゃんと向き合っていた 土曜は、お父さんもお母さんも仕事が休み 休みぐらいゆっくりしてたらいーのに、2人共出掛けて家にはあたしだけ 「ここじゃ何やし、とりあえず入って?」 門扉の外で真っ白い息を吐く慎ちゃんが可哀相で、家の中へと招き入れた 「お邪魔しまーす」 「どーぞ」 廊下を歩いていると、突然髪の毛を触られる 「ひぃやぁっ!」 「うわっ!ゴメンゴメン!そんなに驚くと思わんかった」 勢いよく振り返り、触られた後頭部の髪の毛を押さえた ぞわっと首筋に鳥肌が立つ 「何?何っ!?」 突然の出来事に状況が理解出来ない 「いや…。寝癖ついてるから、気になって…」 押さえつけてた手を少しだけ緩め、そっと手のひらで撫でてみると、確かに寝癖がついていた 「そんなん、口で言うてくれたらえーのに…」 せっかく教えてくれたのに、そんな言い方はないか… なんて思ったら、慎ちゃんが申し訳なさそうな顔をするから、もっと胸が締め付けられる 肩の上で切り揃えた髪は、枕の跡で外側に跳ねたり内側に跳ねたり…バラバラ 「時間があったらちゃんとセットしてんけど…」 昨日、お母さんが仕事から帰って来るまでベッドに突っ伏して寝てたあたしは、風邪を引く寸前で… あっついお風呂にゆっくり入って、ご飯を食べて速攻で寝た ……… そしたら、早朝6時 慎ちゃんから『話したいことがあるから、行っていい?』って電話で起こされ… 両親が揃って出て行った7時過ぎ、我が家にやって来た
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