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「な、なぁ…」
テストが終了し、明日からテスト休み―――
ハルの家の前で『またな』と、明日からもあるような言い方で別れを告げられた直後、あたしはハルに声を掛けた
「あー?」
「あんな………」
「うん」
「ハルはな…」
「ん?」
「その…あの………」
「何やねん。ハッキリ喋れや」
イライラがピークに達したらしく、ムッとした顔と口調で言われてしまう
「クリスマス…予定、ある?」
前に電車の中で『ケーキは作らん』って叫んだけど、あの後週明けたらいつもと変わらんかったハル
やから、何となくそのままうやむやになってたけど…
「ないけど、何で?」
「ケーキ!ケーキ焼くから、家おいでや」
「………その間、俺何してたらえーの」
「手伝って!」
とっさに出た言葉
「マジで?」
「だって、食べたいんやろ?」
「…別に食べんでもえーけど…」
「『食べたい』って言ったんアンタやねんから、ちゃんと責任持って食べに来いっ!」
またそんな捨て台詞を吐いて、ハルの顔も見ずに自分家へと駆け出した
□■□■
あ―――――っ!!!
またやってもーた~
何で、あんな喧嘩売ってしまうんやろ~
怒ったかな?
怒るやんな、普通…
あ―――っ!もぉ、最悪やぁ―――――!
自分の部屋に駆け込んでベッドにダイブする
明日から休みで、顔も合わさんのに…
ベッドの横にある姿見をチラッと覗くと、情けない顔をした自分が映し出されていた
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