勇気を振り絞って…

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□■□■ 「なぁ…。慎ちゃん、彼女居らんの?」 「居らんけど…何?」 「じゃあ…今日の夜、出掛けたりせーへんねんや?」 「そーゆーハルはどないなん?」 「う゛っ…。慎ちゃんに居らんで俺に居るわけないやろ」 「そんなん分からんし」 内容が気になるから、少し遠くで聞こえる会話に全力で注意を傾ける 2人はソファに座って談笑中 「ちょお、ハル~!手伝いに来たんちゃうん?」 「あ、そや」 「何?何かするん?」 慌てて立ち上がるハルに、ゆっくりと視線を上げる慎ちゃん 「ケーキ作ってくれるんやって」 「へぇ…。そーなんや…」 う゛… 何か慎ちゃんの視線が……… 怖いわけちゃうけど、何か寂しげな感じがこれまた… 居た堪れなくなってどこかへ逃げ出したくなる 「慎ちゃんも食べる?」 「えーの?」 切なげな表情をするので、黙って何回も頷いた パッと明るくなる慎ちゃんの顔を見て、罪悪感というか…ちゃんと返事してない自分の曖昧な態度に、申し訳なさを感じる 「その代わり、慎ちゃんも手伝ってな」 「食べさせてもらえるんやから、それぐらい」 ニコッと笑う慎ちゃんを見て、胸が締め付けられた こんなに優しい慎ちゃんを好きになれたら、どれだけ楽なんやろ… それに引き替え………
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