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「俺、みやちゃんのこと好きやし」
突然、慎ちゃんの爆弾発言
カチーンと固まる、場の雰囲気
「えっ?」
ハルが間抜けな声を上げ、あたしと慎ちゃんを見比べた
「え?ええっ?え…みぃも?」
「はぁっ?」
テンパってるのか、ハルもあたしもさっきから声が上擦ったまま
「みやちゃんは好きな人が居るんやって。残念ながら、俺ちゃうみたいやけど」
「ちょ、ちょお!慎ちゃん!余計なこと言わんとってや~!」
目の前にその張本人が居るんやから!
「ふ~ん…へぇ~、ほぉ~。みぃに好きなヤツか…。ってゆーか、慎ちゃんみたいにえー男をフるってどゆこと!?慎ちゃんも!みぃのどこが好きなん?」
………
あたしのどこが好きって………
ハルは、完全にあたしのこと恋愛対象として見てへんやん…
ハルの一言に、足元が崩れて体が地中に落ちてく感覚に陥る
「みやちゃんはえー子やで?ハルはお子ちゃまやから、みやちゃんの魅力に気付いてへんだけやろ。そんなんやったら、いつまでも隣には居られへんようになるで」
口角を上げて意味ありげに微笑む慎ちゃんから、視線をあたしに移すハル
「な、何よ」
「え………いや…。自分に好きなヤツが居るんや~って…。何か改めて噛み締めてみただけ」
「ふぅ―――ん…。あ…そ」
その後しばらく黙々と作業に取り掛かり、後はスポンジを焼くだけになった時、慎ちゃんが口を開く
「あ、呼び出しや。みやちゃん、ハル、悪いけど俺帰るわ。仲良くしーや」
ニコッと笑い、あたし達の返事も聞かへんうちに、リビングに置いてあるダウンジャケットに手を通し、家を出て行った
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