64人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
「ハル」
「あーっ?何?」
のけ反ったまま返事をするハル
「だから、ハル」
「何やねん」
天井を見上げてた顔が、ようやくこっちを向いた
「言ってるやん」
「だから、何が?!」
白黒はっきりさせたい性格やからか、ちゃんとした言葉がないとイラッとするのは相変わらずみたいで、眉間に皺を寄せたまま声を荒げる
「自分が言い出したんやろ?」
「だ~か~らぁ~!!!『何が』って聞いてるやん!」
ホンマ…何でこんなに短気なヤツ好きなんやろ…
自分のツボにハマった理由がイマイチ分からんけど、今まで生きてきたうちの半分は、この男が好き
きっと『男らしさ』とか、何気に『物事に一途なトコ』とか『不意に見せる優しさ』…とか、その辺に魅かれたんかな…
………多分
「あたしの好きな人」
「へ?」
「………」
「………」
「………」
「………」
必死に何かを考えてるらしい
顎に手を当てて、あたしをジッと見ている
「は?」
ようやく理解したらしく、目を見開いて前のめりになる
「え?お…俺?………みぃ…がっ?」
自分を指し、戸惑いながら首を傾げるハル
黙って何回か頷くと、『え―――っ?!』と驚きの声を上げた
最初のコメントを投稿しよう!