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「そんな風に見たことなかってんけどな…。さっき、慎ちゃんがみぃに好きな人居るって言った時、何かこう………モヤモヤっての?何かうまいこと表現出来へんけど、何か…うん。めっちゃ複雑な気分やった」
「ふ―――…ん」
「『ふ―――…ん』って、それだけか!」
「え…。他に何て言えばいいんよ」
「ん―――…。何やろ………。あ゛―――っ!もぉっ!!!分からんっ!知るか―――っ!!!」
後頭部に両手を回し、直立不動で絶叫する
「逆ギレとか…意味分からんし」
フッと笑うと、ハルも同じように表情を崩した
「なぁ…」
「ん?」
「あのさ………。自分のこと…ずっと幼馴染みやと思ってたから、急にそんな風に見るんは無理かもしらんけどさ…」
「うん」
「ずっと一緒に居っても違和感ないし…。ありっちゃ…ありなんかなぁ~って思ったりするから………」
「うん」
「時間…ちょうだいや」
時間?
首を傾げると、後頭部を掻くハルが恥ずかしそうに顔を逸らす
「みぃのこと………好きになる時間…」
それって…
「あたし…待っててえーの?」
あたしの質問に黙って頷くハル
や―――
「やったぁ~!」
カウンター越しに向かい合ってるけど、本音では今すぐに抱きつきたい気分だ
仕方がないのでその場でバンザイすると、ハルがクシャッと表情を崩した
そして、次の瞬間―――
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