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「………みぃ…」
「んー?」
「そーゆーことやから………。これからも、ヨロシク」
「う…うん」
ニコッと笑うハルにつられて、戸惑いながらも笑顔を見せた
「ほ~らぁ~!ワインも買って来たから、グラス出して飲みや」
お母さんから差し出されたのは、ノンアルコールのスパークリングワイン
戸棚からワイングラスを3つ出してキッチンから出ると、カウンターからグラスを取りハルと慎ちゃんに渡す
どちらともなくワインを差し出すとスッと慎ちゃんが手を出し、コルクに栓抜きを刺して簡単に開けてしまった
『ポンッ』という軽やかな音を聞いていると
「これぐらいスマートにせな、株上がらんで?」
と、意地悪くハルに微笑む慎ちゃんの姿
「もう充分やろ、な?」
トクトクトクと独特の音をさせてグラスに注がれる液体を眺めていると、ハルがあたしを覗き込むから、慌てて顔を逸らす
「―――っ。べ、別に…」
何か…告白したら、変に意識が………
「そんなんやったら、手ぇ繋ぐのも、キスするのも…まだまだ先そうやね」
キ、キス―――ッ?!
反対側から慎ちゃんに耳打ちされ、顔に火が点いたように熱くなるのが分かった
「慎ちゃん、みぃに何言ったん?茹でダコみたいになってるやんか」
「別にぃ~」
「そっ…そう!別に何もないしっ!」
ニヤニヤと笑う慎ちゃんに同調してみるも、慎ちゃんの一言で意識してしまい…つい、唇に目が行ってしまうあたし
アカン~ッ!
こんなん、心臓が持たへ―――ん!
半泣き状態になりながら、熱の塊みたいな顔に手で必死に風邪を送る
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