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「大丈夫?」
素知らぬ顔で心配そうな表情をする慎ちゃん
でも、心配そうな表情の端に笑いを含んでいるのが、チラッと見て取れた
「ちょっ!慎ちゃん、近過ぎ」
あたし達の間に割り込んでくるハル
「おっ、独占欲出てきた?」
「………そんなんちゃうけど…。何か…近いなぁ~って思って…」
あたしからはハルの背中しか見えない
やけど、たどたどしい声を聞いてる限り、こんなハル…見たことがない
「ふ~ん…。あ、そぉ…。ま、えーわ。俺、お邪魔みたいやから…向こう行くし。皆居てるから、ここでイチャついたらアカンで」
「なっ!」
「そんなんせーへんわっ!」
慎ちゃんの手の上で転がされてる感じ
ってゆーか、慎ちゃんってこんないけず(意地悪)やったっけ?
ソファに座り談笑しているお父さんとお母さんの中に入っていく慎ちゃん
あたしとハルは、カウンターのトコに取り残された
「俺らも…行くか」
「…うん」
「なぁ」
「ん?」
『ん』と顎で指し示した先には、大きく開かれパーの状態をしたハルの左手
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