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「ほら、透。今日は響子さんがカボチャの煮付けを作ってくれたんだぞ」
カバンの中からタッパーを取り出しつつ、俺は透に話しかけた。
「響子……さんが……」
「ああ。どうだ、美味しそうだろう?」
「あ、あのねパパ! 響子さんは……」
「ん? どうした? 響子さんは本当に素晴らしい人だよな。自分も大変なのに、こんなに俺達を気遣ってくれるんだからな。お前も会ったらお礼を言うんだぞ」
俺がそう言うと、何故か透が俯いた。
「……そうだよね。分かったよ、パパ」
小さく答えた透に、俺は安心して笑った。
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