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「…ねえ、パパはあの人と結婚するの?」
不意に放たれた透の問いに、俺は思わず噴き出した。
「馬鹿、変なことを言うもんじゃない!」
慌てて取り繕うも、透は何やら不安そうな表情を浮かべたまま、じーっと俺を見つめている。
やはり母親がいないというのは不安なのだろうか……。
「そうだな。確かにあの人がお前の母親になってくれれば、いいのかも知れないな」
俺の言葉に、透はぶんぶんと首を振った。
「僕のママは、ママだけだもん……」
「……ああ、そうだよな。すまん」
俯く透の姿に、俺の胸がチクリと痛んだ。
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