92人が本棚に入れています
本棚に追加
「これは……!?」
車を降りて封筒を手に取る。
そのまま慎重に部屋に運び込み、テーブルの上に置いた。
東京の郊外に佇む、ささやかな一軒家が、今の私の住居。
でもこの家も、前の旦那が残したものだと思えば、ひどい嫌悪感に襲われた。
私はスーツを脱ぎ捨てて部屋着に着替えると、先ほど届いた封筒を確認する。
送り主の住所も無ければ切手も貼っていない。
おそらく、自分で直接郵便受けに入れたのだろう。
本来ならば、こんなものは捨ててしまいたいのだが、封筒の表面に書かれていた「人殺し女の秘密在中」という文字が、私にそれを許さなかった。
明らかにまともじゃないその封筒を、私はハサミを使って丁寧に開封する。
その中から出てきた物を見て、私は思わず息を呑んだ。
「な、なんで……!?」
あまりのことに、私は思わず声を上げてしまう。
封筒に入っていたもの――それは、大量の写真と一通の手紙。
その写真の一番上には、私がこの部屋で娘を絞め殺している様子が克明に撮影されていた。
「そんな……有り得ない……」
あまりの衝撃に、ソファに倒れ込みそうになるのを必死で堪える。
そして私はふるえる手で、同封されていた手紙に目を通した。
最初のコメントを投稿しよう!