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ストーカー男の目的は、あくまで私を監視して、おおかたシャワー後の姿や着替えなどを覗き、自分の性的欲求を満たすことだったのだろう。
そしておそらくは、私に清楚なイメージを抱いていたに違いない。
だからこそ、娘を殺害する私の姿に、普段と違う興奮を覚え、こんな手紙を送ってきたのだ。
見ているだけなら、私も気づかなかったかも知れない。
しかし、ストーカー男は、我慢できずに私に自分の存在をアピールしてしまった。
その時点で、男はもう私の網の中にいるのだ。
既に手紙を出して、私の反応を楽しんでいる男が、これから私を監視し続けて、我慢できるはずがない。
匂い立つ果実は、誘い出して食らいつかせるためのものなのだ。
さあ、踊ってあげましょう。
あなただけのために。
あなたが私に触れたくなるまで。
――あなたの命が潰えるまで。
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