天国と地獄

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  「そ、そうですか……では、失礼して……」 彼はおもむろにネクタイを締めなおし、深呼吸をする。 そして何やら決意したかのように姿勢を正すと、ゆっくり深呼吸をした。 「あの、響子さん。あなたも大変なときに不謹慎だとは思うんです。しかし、なるべく早くお話しなければならないと思いまして……」 もったいぶった様子で話す彼の口調は、私の期待感をどんどん増幅させていった。 「響子さん、よろしければ、俺と結婚を前提にお付き合いしていただけませんか?」 真剣な瞳で言い放つ彼。 どうしよう、すごく嬉しい。
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