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「お待たせ、樹。着いたよ? ねえ、開けて、開けて、開けて、開けて?」
樹の部屋に着いた私は、ドア越しに呼びかけながら、チャイムを連打する。
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン……
「うるせえ! とっとと帰れ!」
部屋の中から、拒絶の言葉が聞こえてくる。
やはりだ。
やはり毒されてるんだ。
可哀想。
樹、可哀想。
助けてあげなきゃ。
私が救ってあげなきゃ。
私なら救えるんだ。
私しか救えないんだ。
待っててね、樹。
――今すぐ行くから。
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