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「樹……愛してるわ……」
「く、来るな! 来るんじゃねえ!」
樹が私に向けて、灰皿を投げつけてくる。
灰皿は私の頭に命中し、血が滴り落ちる。
かわいそうに、こんなに怯えて……
今すぐ安心させてあげるからね?
私はわめき散らす樹に近づくと、その身体に覆いかぶさる。
「ねえ、樹? 一つになろ?」
「な、何言ってんだよ! いい加減にしろよ!?」
怯えてわめく樹にもう一度。
「ねーえ、一つになろ?」
「わ、分かった! ヤりたいんだな? ヤりゃあ許してくれるんだな!? 分かった、分かったから! ナイフを捨てろ、な?」
涙目で懇願する樹に、私はため息を吐く。
――やっぱり、一度殺すしかない。
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