第6話：真実の愛

真実の愛

「ああいうタイプは、非常にやりやすい。なんだかんだ、自尊心の高いタイプですからね。うまく彼女の望む流れに誘導しつつ、こちらに引き込む。簡単でしたよ、ええ」

陽明の言葉に、私は電話越しに頷いた。

きっと、七瀬さんはもう彼の操り人形と化しているのだろう。

もし、繁華街の真ん中で服を脱げと言われても、疑いなく実行してしまうに違いない。

そう、例えば――誰かを殺せと言われても、疑いなく実行するだろう。

そこまで考えて、私は小さく笑みを浮かべた。