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―◇響子◇―
「痴情のもつれによる殺人……結局は自分も愛する人の手にかかり……か」
新聞記事を読みながら、私はにやりとほくそ笑む。
結局彼女は、八尾君を殺した後、自らも力尽きて倒れたらしい。
頭に灰皿のようなものを投げつけられて、それが致命傷だったのだという。
しかし、その傷を受けてもしばらく気力だけで命を繋いでいたというのだから恐れ入る。
これがいわゆる『愛の力』というものなのだろうか。
しかし、残念だ。
七瀬さんは可愛らしくて気に入ってたのだけど。
まあ元々、八尾君を殺した後は、自分も後を追って死ぬように命じさせていたから、仕方ないのよね。
さて、今日の職場はきっと大騒ぎだろう。
私は新聞を置くと、手早く支度を済ませ、家を出た。
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