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「森さん……!」
私の家の前に立っていたのは、愛しい森さん。
彼は少し真剣な表情で私を見ると、ゆっくりと口を開いた。
「響子さん、大丈夫ですか? 実は、八尾君と七瀬さんが……」
「あの二人がどうかしたんですか……?」
彼の言葉に、私は知らん振りをしてとぼけて見せる。
疑いをかけられることは無いだろうが、そのくらいの演技はしておいていいだろう。
案の定、森さんは真剣な表情を崩さずに、深呼吸をする。
会社の人間が二人死んだと聞き、真っ先に恋人である私の所へ飛んできてくれたのだろう。
この何気ない行動が、私には大きな喜びだった。
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