37人が本棚に入れています
本棚に追加
森さんと共に会社にたどり着くと、そこは普段の日常とはかけ離れた空間になっていた。
泣き出すもの、呆然とした様子で座り込むもの、はたまたイライラしたように貧乏ゆすりを繰り返すもの。
普段は見えないこういう姿にこそ、人間の本質が現れるのだろう。
だからこそ、気をつけなければならない。
一番演技が必要なのは、こういう時なのだから。
「おや、君はもしや……」
不意に、初老の刑事が森さんに話しかける。
……知り合いなのかしら?
最初のコメントを投稿しよう!